御朱印をいただくときの言い方と、渡してから受け取るまでの流れ
「御朱印をお願いできますか」と伝えて、書いていただきたいページを開いた御朱印帳を両手で渡す——これが基本の流れです。決まった文型はなく、丁寧に尋ねれば通じます。先に参拝を済ませてから伺うのが順序で、御朱印は参拝の証として案内されています。書いていただいている間は話しかけず、呼ばれるまで静かに待って、受け取るときに「ありがとうございました」と伝えれば足ります。
この記事の要点
- 「御朱印をお願いできますか」と伝え、書いていただきたいページを開いた御朱印帳を両手で渡します
- 参拝を先に済ませます。御朱印は参拝の証として案内されています
- 窓口は神社では授与所か社務所、寺院では納経所か寺務所です
- 留め具・カバー・しおりの紐は外してから渡し、小銭を用意しておきます
- 書いていただいている間は話しかけず、呼ばれるまで静かに待ちます
この記事は「御朱印とは何か? 参拝の証という意味と、その由来、書かれていること」の一部です。
この記事は、御朱印をいただくときに使う言い方と、御朱印帳を渡してから受け取るまでの流れだけを扱います。寺社ごとにお納めする額や受付の時間、御朱印を授与しているかどうかは扱いません。そこは動く事柄なので、当日の掲示と授与所の案内で確かめてください。
御朱印をいただくときは、何と言えばいい?
「御朱印をお願いできますか」と伝えて、書いていただきたいページを開いた御朱印帳を両手で渡す——これだけです。 決まった文型はなく、丁寧に尋ねれば通じます。
場面ごとに並べると、覚えることは4つしかありません。
| 場面 | 言い方 | 添えると伝わりやすいこと |
|---|---|---|
| 声をかけるとき | 「恐れ入ります」「すみません」 | 書いている方ではなく、受付にいる方へ |
| 頼むとき | 「御朱印をお願いできますか」「御朱印をいただけますか」 | 開いたページを見せながら |
| 待つとき | (何も言わなくてよい) | 呼ばれて気づける範囲で待つ |
| 受け取るとき | 「ありがとうございました」 | 両手で受け取る |
「御朱印をください」でも意味は通じます。ただ、「お願いできますか」「いただけますか」と尋ねる形にすると、こちらの都合で求めるのではなく、書いていただくことをお願いする言い方になります。言葉が少なくて済む場面だからこそ、この一語だけは選んでおくと落ち着きます。
なぜ「参拝を先に」なのか
御朱印は参拝の証として案内されているので、先に参拝を済ませます。 順序を気にする必要があるのはここだけで、あとは列に従えば足ります。
神社本庁は、御朱印のはじまりを、奈良・平安のころに経典を奉納した際にいただいた「納経受取の書付」に求めています。「御朱印」という語そのものが使われるようになったのは昭和10年(1935年)ごろだと説明されています。もともとは何かを納めた、参拝したことの受け取りだったということです。
個々の案内も同じことを平たい言葉で書いています。宮城県神社庁の御朱印マナーの案内は「御朱印の前に参拝を」を最初に置き、浅草神社は「最初に参拝しましょう」と掲げて、御朱印は参拝の証であると書いています。一方で、全国一律の決まりが定められているわけではありません。 混雑するときに、参拝の前に御朱印帳を預けて参拝後に受け取る形を案内している寺社もあります。当日の掲示と授与所の案内が、この記事より優先します。
御朱印と、駅や施設で自分で押す記念の印は別のものです。何が御朱印で、何がそうでないかの線引きは、別の記事に分けました。
伺う窓口は、授与所か社務所
神社では授与所(じゅよしょ)か社務所(しゃむしょ)、寺院では納経所(のうきょうしょ)か寺務所(じむしょ)が窓口です。 呼び名は違っても役目は同じで、御朱印帳やお守りもここで受けられることが多い場所です。
見つからないときは、境内にいる方に「御朱印はどちらでいただけますか」と尋ねるのがいちばん早く、これも失礼にはあたりません。尋ねることが控えるべきになるのは、書いている最中に声をかけるときだけです。
寺院では、墨書に「奉拝」ではなく「奉納経」などの語が入ることがあります。墨書に何が書かれているかは、日付の書式とあわせて別の記事にまとめました。
渡すときの手つきは3つ
書いていただきたいページを開く、留め具とカバーとしおりを外す、小銭を用意する。 この3つで、言葉が少なくても用は足ります。
- 開いて渡す。 宮城県神社庁の案内も「書いて欲しいところを開いて渡すこと」を挙げています。次に書いていただくページは、こちらにしか分かりません。見開きで使いたい、ここは空けておきたいという希望があれば、渡すときに伝えます。
- 留め具・カバー・しおりの紐を外す。 浅草神社は、ボタンのついたカバーやしおりを外してから渡すよう案内しています。書く側は帳面を平らに開いて押さえるので、留め具が当たると書きにくくなります。
- 小銭を用意する。 お納めする額は寺社ごとに違い、掲示に従います。宮城県神社庁の案内も「小銭を用意しておくことも忘れずに」と書いています。列が進む速さは、たいていここで決まります。
御朱印帳そのものの寸法や綴じ方、残りのページ数の数え方は帳面の仕組みの記事に分けました。
書いていただいている間は、話しかけない
書き手は集中して筆を運んでいるので、書いている最中に声をかけるのは控えます。 宮城県神社庁の案内も、書いている時に話しかけることを控えるよう求め、係の方から呼ばれるまで静かに待つよう案内しています。
聞きたいことがあれば、渡すときか、受け取るときにまとめて尋ねます。順番札を渡されたら、呼ばれるまで待ちます。離れすぎると呼ばれても気づけないので、聞こえる範囲にいてください。
書いている様子を無断で撮ることも、同じ案内が控えるよう求めています。撮影の可否は寺社ごとに違うので、御朱印を写真に撮るとき、どこまでがよいのかを別の記事にまとめています。
紙でいただく形(書き置き)を渡されたとき
その日は、あらかじめ紙に書かれたものを渡されることがあります。断られたわけではないので、そのまま受け取ってかまいません。 書き手が不在のとき、混雑しているとき、行事のときなどに、この形が採られます。
紙でいただいたら、折れないようにしまって持ち帰ります。帳面に貼るかどうかは、あとで落ち着いて決めれば足ります。
一律に言えることと、寺社ごとの判断
言い方と振る舞い方はおおむね共通して言えますが、授与の形そのものは寺社ごとの判断に委ねられています。 混同すると、掲示と違うことをしてしまいます。
| 事柄 | 共通して言えること | 寺社ごとに違うこと |
|---|---|---|
| 頼み方 | 丁寧に尋ねる。書いている方ではなく、受付の方へ声をかける | 記入用紙や整理券を使うかどうか |
| 参拝と御朱印の順序 | 参拝を済ませてから伺う | 混雑時に、先に帳面を預ける形を案内していることがある |
| 待ち方 | 書いている最中は話しかけず、呼ばれるまで静かに待つ | 順番札を使うか、その場で待つか |
| 受け取るもの | 渡されたものをそのまま受け取る | 帳面に直接書くか、紙で授与するか。授与しているかどうかも |
| お納めするもの | 授与所の掲示に従う | 額そのもの |
分からないことは、尋ねてよいことです。 迷ったまま自分で決めるより、窓口のやり方に合わせるほうが確実です。
受け取ったその日にしておくと、あとで困らないこと
いただいた御朱印は、あとから自分で読み返せるとは限りません。 その日のうちに、寺社名と日付を自分の言葉で控えておくと、あとで突き合わせられます。
理由は3つあります。墨書は崩した字で書かれることがあり、慣れないと寺社名を読み取れません。日付は和暦で書かれるのが通例なので、写真の撮影日や旅程のような西暦の記録と並べるには変換が要ります。そして同じ日に何か所も伺うと、どのページがどこのものか、ページの順序でしか区別できなくなります。
控えるのは3つです。参拝した順にページを使うこと。寺社名を自分が読める字で書き留めること。日付を西暦でも残しておくこと。 手元のメモで足ります。日が変わる前に、どのページがどこのものか分かっているうちに済ませてください。
日付が和暦で書かれる理由と、西暦との付き合い方は別の記事にあります。参拝日そのものが分からなくなった場合の手がかりのたどり方も分けて書きました。一日に何か所まで伺うか、受付の時間をどう見込むかという旅程の側は、旅程の立て方の記事にまとめています。
よくある質問
- 「御朱印をください」と言ってもいいですか?
- 意味は通じますし、それで失礼になるわけではありません。ただ「お願いできますか」「いただけますか」と尋ねる形にすると、こちらの都合で求めるのではなく、書いていただくことをお願いする言い方になります。言葉が少なくて済む場面なので、この一語だけは選んでおくと安心です。
- 御朱印帳を持っていないときは、どう伝えればいいですか?
- 「御朱印帳を持っていないのですが、いただけますか」と尋ねてください。御朱印帳をその窓口で求められる寺社もありますし、あらかじめ紙に書かれたものを授与している場合もあります。一方で、御朱印帳を持参するよう案内している寺社もあります(浅草神社の御朱印の案内がその例です)。断られることもある、と思っておけば戸惑いません。
- 墨書に何が書かれているのか、その場で尋ねてもいいですか?
- 尋ねてかまいませんが、書いている最中は避けて、受け取るときにしてください。あとから調べられないのは寺社名の読みと日付なので、尋ねるならそこを先にします。墨書は崩した字で書かれることがあり、あとで自分では読み取れないことがあります。
- お納めするものは、いつ、どう渡せばいいですか?
- 額は寺社ごとに違うので、授与所の掲示に従ってください。小銭を用意しておくと、列が止まりません。渡す機会は御朱印帳を預けるときか受け取るときで、盆が出ていればそこに置きます。窓口のやり方に合わせれば、こちらから作法を決める必要はありません。
- 御朱印をいただけないと言われたときは、どうすればいいですか?
- お礼を伝えて引いてください。御朱印を授与していない寺社もありますし、受付の時間を過ぎている、書き手が不在、行事のため取りやめ、ということもあります。理由を尋ねたり重ねてお願いしたりするのは控えます。授与の形そのものが寺社ごとの判断に委ねられている事柄です。