御朱印の元号が読めないとき——五つの元号の見分け方と、漢数字の日付の読み方
御朱印の日付は、先頭の1〜2字が元号で、その後ろは漢数字の年・月・日です。まず元号を五つの候補(令和・平成・昭和・大正・明治)に当ててから、元号年に足す数で西暦に直します。足す数は令和が2018、平成が1988、昭和が1925、大正が1911、明治が1867で、「元年」はその元号の1年目を指す言葉なので数字が欠けているわけではありません。崩し字で一字も読み取れないときは、前後のページの読める日付と写真の撮影日で挟み込んで絞り込みます。
この記事の要点
- 日付の先頭1〜2字が元号です。明治以降の御朱印なら候補は五つしかありません
- 元号年に足す数は、令和が2018、平成が1988、昭和が1925、大正が1911、明治が1867です
- 「元年」はその元号の1年目で、「一年」とは書かないのが通例です
- 改元の年は二つの元号にまたがります。2019年は4月30日までが平成31年、5月1日からが令和元年です
- 崩し字で読めないときは、前後のページの日付と写真の撮影日で挟み込んで絞り込みます
この記事は「御朱印とは何か? 参拝の証という意味と、その由来、書かれていること」の一部です。
この記事は、御朱印に書かれた日付を読み取り、西暦に直すところだけを扱います。日付を記録にどう持つか(なぜ和暦なのか、記録でどう付き合うか)は別の記事にあります。
日付はどこに書かれている?
墨書の左側、寺社名より後ろに書かれているのが日付です。 日本政府観光局の案内も同じ並びを説明しています——朱印の上に寺社名、左に参拝日、右上に「奉拝」。寺院ではこの位置に別の言葉が入ることもあり、並びは書き手に委ねられています。
墨書は上から下へ読み、列が複数あるときは右から左へ進みます。日付はふつう1列で、上から元号・年・月・日の順です。列の最後の字は「日」になります。
つまり「令和六年八月十日」という1列は、次のように分かれます。
| 部分 | 字 | 意味 |
|---|---|---|
| 元号 | 令和 | 令和 |
| 年 | 六年 | 6年 |
| 月 | 八月 | 8月 |
| 日 | 十日 | 10日 |
2024年8月10日です。以下の節で、元号・年・漢数字を1つずつ見ていきます。
元号は五つのどれか——始まりと終わり
明治以降の御朱印なら、先頭に来る元号は五つしかありません。 どれも始まる日が決まっているので、字が読めれば年の範囲もそこで決まります。
| 元号 | 字 | 1年目の始まり | 終わり |
|---|---|---|---|
| 令和 | 令和 | 2019年5月1日 | (現在) |
| 平成 | 平成 | 1989年1月8日 | 2019年4月30日 |
| 昭和 | 昭和 | 1926年12月25日 | 1989年1月7日 |
| 大正 | 大正 | 1912年7月30日 | 1926年12月24日 |
| 明治 | 明治 | 1868年10月23日 | 1912年7月29日 |
令和と平成は、共通する字を持ちません。 崩し字で二字のうち一字しか追えないときは、これが効きます。「令」か「和」が見えれば令和、「平」か「成」が見えれば平成です。昭和・大正・明治まで遡る帳面なら、ほかのページの日付も同じ時代に固まっているので、1ページだけで悩まずに冊全体を見たほうが早く決まります。
譲り受けた帳面や、古書店で求めた帳面を読むときは、冊の始まりと終わりで元号がまたいでいることがある点に気をつけてください。1冊を数年かけて使えば、2019年や1989年を挟むことは十分にありえます。
元号の後ろの数字は、西暦の年ではない
元号年は改元のたびに1へ戻ります。 「六年」は令和6年で、2006年でも1906年でもありません。西暦に直すには、元号ごとに決まった数を足します。
| 元号 | 足す数 | 例 |
|---|---|---|
| 令和 | 2018 | 令和6年 → 2024年 |
| 平成 | 1988 | 平成31年 → 2019年 |
| 昭和 | 1925 | 昭和40年 → 1965年 |
| 大正 | 1911 | 大正3年 → 1914年 |
| 明治 | 1867 | 明治40年 → 1907年 |
「元年」は1年目です。 改元の年は「一年」ではなく「元年」と書くのが通例で、令和元年は2019年、平成元年は1989年にあたります。「元」は初めという意味の字で、数字が抜けているわけではありません。
漢数字は十の組み立てを覚えるだけ
日付の数字は算用数字ではなく漢数字で書かれます。 使われる字は十種類です。
一が1、二が2、三が3、四が4、五が5、六が6、七が7、八が8、九が9、十が10。
十より大きい数は、十の前後に単位の字を置いて作ります。
- 十の後ろに置くと足し算です。十一は11、十五は15、十九は19。
- 十の前に置くと掛け算です。二十は20、三十は30。
- 両方組み合わせます。二十日は20日、三十一日は31日。
月は数字に「月」を付けるだけで、一月が1月、十二月が12月です。日は「日」で終わります。
読みの例をもう1つ挙げます。「平成三十一年四月二十日」は、平成31年=1988+31=2019年で、2019年4月20日です。元号が平成なのに西暦が2019年というのは間違いではありません。次の節がその話です。
改元の年で間違える
元号は年の途中で変わるので、2019年と1989年は二つの元号にまたがります。
- 2019年: 4月30日までが平成31年、5月1日からが令和元年です。
- 1989年: 1月7日までが昭和64年、1月8日からが平成元年です。
日付が変だと思ったら、先に月を見てください。「平成三十一年四月」と「令和元年五月」は、30年ではなく5週間ほどしか離れていません。
この境目は、記録の並び順も静かに壊します。「平成三十一年三月」「令和元年六月」「令和二年一月」の3件は書かれた順にこの並びですが、元号を無視して年の数字だけで並べると、1・2・31の順になって、いちばん古い記録が最後に回ります。並べ替えは西暦に直した日付で行ってください。 なぜ御朱印の日付が和暦なのか、記録に移したときにどこで崩れるかは「御朱印に書かれている日付が和暦なのはなぜ?」に分けて書きました。
それでも読めないときの手がかり
崩し字、にじみ、朱印が日付に重なっている——どれも一字を睨んでいても読めません。外側から挟み込みます。
- 前後のページ。 御朱印帳は前から順に埋まるので、読める日付の間にあるページは、その間の日付です。上下2件が同じ月なら、月まで決まります。
- 写真の撮影日。 参拝した日に撮った写真なら、撮影日がその日です。帰宅後にまとめて撮った写真は参拝日を指しません。撮影日や前後の写真から参拝日を絞り込む手順は別の記事にまとめています。
- 寺社を先に決める。 どこの御朱印かが分かれば、その寺社へ行った日の記憶から日付に戻れることがあります。朱印と墨書から寺社を絞る手順は「御朱印から寺社を特定する」にあります。
- 冊の切れ目。 旅の途中で帳面が満杯になって2冊目を使い始めた場合、2冊のページは日付で交互に並びます。読み始める前に冊を分けておいてください。旅先で御朱印帳が満杯になったときの持ち方は、その場での扱いから書いています。
決めきれない日付は、推定である旨と根拠(「前後のページから2019年5月と推定」など)を添えて残します。空欄にするより、あとから見返したときに判断が速くなります。
日付が書かれていない御朱印もある
何をどう書くかは寺社ごとの判断に委ねられていて、参拝日を入れない形もあります。 書き忘れと決めつけないでください。あらかじめ書いて用意された書き置きでは、日付の欄が空いたまま渡されることもあります。
日付の無いページは、紙ではなく記録の側に日付を持ちます。御朱印は参拝したことそのものの記しなので、そこに結び付ける日付も、写真を撮った日ではなく参拝した日にします。この受け止め方は「御朱印は土産物ではない」に書きました。紙の空欄に自分で日付を書き入れるかどうかは、書き入れる場合と書かない場合の考え方に分けています。
読めたら、和暦と西暦の両方を残す
読み取れた日付は、紙に書かれたままの和暦と、直した西暦の両方を記録に残してください。
- 和暦は、紙と突き合わせるときに使います。 書かれたまま写しておけば、次に確かめるときに墨書を読み直さずに済みます。
- 西暦は、並べ替えと、ほかの記録との突き合わせに使います。 写真の撮影日も、旅の記録も西暦です。
どちらか一方しか持てないなら西暦にします。並び順が崩れるほうが、紙と見比べる手間より後から効いてきます。
開発しているアプリの場合
開発しているアプリ「あとから御朱印帳」では、令和・平成・昭和・大正・明治から元号を選んで参拝日を入力でき、記録は入力した順ではなく参拝した日の順に並びます。 写真をまとめて取り込み、参拝日を直してから、冊とページに入れる流れです。取り込んだ写真の参拝日の初期値は撮影日なので、読み取った日付に直してから冊に入れてください。
1冊目は購入なしで件数の制限なく記録できます。2冊目以降の冊を作るには買い切りの「台帳フル」が要ります。購入で使えるようになる範囲は料金の案内にまとめていて、価格は App Store の表示をご確認ください。
できないこともあります。複数の端末で記録を同期することはできません。ページ番号は冊に入れた順に続けて振られるので、紙の帳面と並びが違ってしまったときは、上下の移動で並べ替えます。
よくある質問
- 「令和六年八月十日」はいつのことですか?
- 2024年8月10日です。「令和」が元号、「六年」が令和6年で、令和の年に2018を足すと西暦の年になります(2018+6=2024)。「八月」は8月、「十日」は10日で、月と日は和暦と西暦で同じなので、直すのは年だけです。
- 年のところが「元年」と書かれているのは、どういう意味ですか?
- その元号の1年目という意味です。改元の年は「一年」ではなく「元年」と書くのが通例で、令和元年は2019年、平成元年は1989年にあたります。「元」は初めという意味の字で、数字が抜けているわけではありません。
- 「昭和64年」と書かれた御朱印はありうるのですか?
- ありえます。昭和64年は1989年1月1日から1月7日までの7日間で、1月8日からが平成元年です。この7日間に参拝していれば、日付は昭和64年で正しいことになります。同じことが2019年にも起きていて、4月30日までが平成31年、5月1日からが令和元年です。
- 崩し字で元号が読めないときは、どうしますか?
- 一字を睨むのをやめて、外側から挟み込んでください。御朱印帳は前から順に埋まるので、読める日付の間にあるページはその間の日付です。写真の撮影日、参拝した年の記憶、同じ旅で撮った他の写真も手がかりになります。それでも決まらない日付は、推定である旨と根拠を添えて残すほうが、あとから見て混乱しません。
- 日付がまったく書かれていない御朱印もありますが、書き忘れですか?
- そうとは限りません。何をどう書くかは寺社ごとの判断に委ねられていて、日付を入れない形もあります。あらかじめ書いて用意された書き置きでは、日付の欄が空いたまま渡されることもあります。その場合の日付は紙ではなく記録の側に持つことになります。