あとから御朱印帳

御朱印の記録に残す項目の決め方:あとから足せるか、足せないか

御朱印の記録の項目は、「その場でしか取れない」「あとから調べて足せる」「無くても困らない」の3つに分けて決めます。最初から持つのは参拝日・寺社名・写真・メモの4つで、御朱印帳が2冊以上なら冊とページを足した6つです。同行者や天気は別の項目にせず、メモ1欄に書けば足ります。紙に日付が入らない御朱印の参拝日や、崩した字で読めない寺社名のように、その場でしか取れない項目は、途中から足してもそれ以前の記録を紙から埋められません。

公開: 文: 友田 陽大(あとから御朱印帳 開発者)

この記事の要点

  • 項目は「その場でしか取れない」「あとから調べて足せる」「無くても困らない」の3つに分けて決めます
  • その場でしか取れない項目は、途中から足してもそれ以前の記録を紙から埋められません
  • 最小は参拝日・寺社名・写真・メモの4つで、御朱印帳が2冊以上なら冊とページを足します
  • 同行者・天気・感想は別々の項目にせず、メモ1欄にまとめます
  • 項目の数だけ入力の手間が増え、空欄の意味も分からなくなります

この記事は、御朱印の記録にどの項目を残すかの決め方だけを扱います。御朱印に書かれた文字の読み方や、記録に使う道具の比べ方には踏み込みません。

御朱印の記録には、どの項目を残せばいい?

あとから足せない項目を先に決め、足せる項目は後回しにし、無くても困らない項目はメモ1欄にまとめます。 具体的には参拝日・寺社名・写真・メモの4つから始め、御朱印帳が2冊以上あるなら冊とページを足した6つにします。寺社名は、紙で読めればあとから足せますが、崩した字で読めない御朱印では記憶が薄れると戻らないので、参拝日と並べて最初から入れます。

項目を決める段階で迷うのは、「あとで欲しくなるかもしれない」ものが際限なく思いつくからです。同行者、天気、いただいた時刻、待った時間、その日の感想。どれも読み返すと楽しい項目です。ただ、欲しくなるかどうかで決めると、項目は増える一方になります。あとから足せるかどうかで決めると、始める前に決めなければいけない項目はずっと少なくなります。

記録を一覧にするとあとから何が見返せるようになるかは、「記録を一覧にして見返せる形にする考え方」に書きました。この記事は、その一覧の「列」を決める部分にあたります。

項目を3つに分けると、どうなる?

「その場でしか取れない」「あとから調べて足せる」「無くても困らない」の3つに分けると、始める前に決める必要があるのは最初の分類だけになります。 よく挙がる項目を分けると、次のとおりです。

項目 分類 あとから足すときの手がかり
参拝日(紙に日付が入らない場合) その場でしか取れない 当日に撮った写真の撮影日がいちばん確か。無ければ帳面の前後のページや移動の記録から幅で推すしかない
寺社名(崩した字で読めない場合) その場でしか取れない 参拝した記憶が頼り。紙を見ても読めないので、記憶が薄れると戻らない
当日に撮った写真 その場でしか取れない 無い。後日に撮り直した写真の撮影日は参拝日にならない
参拝日(紙に日付が入る場合) あとから調べて足せる 御朱印に書かれた日付(多くは和暦)
寺社名(紙で読める場合) あとから調べて足せる 墨書と印。帳面か写真が手元にあれば、何年経っても読み直せる
御朱印の写真(撮り直し) あとから調べて足せる 帳面が手元にあれば撮り直せる。書き置きを手放すと撮れない
冊とページ あとから調べて足せる 帳面をめくって照らし合わせる。冊が増えるほど重い
寺社名の読み あとから調べて足せる 寺社の公式の案内など
場所 あとから調べて足せる 寺社名から地図で探す。同じ名前の寺社は各地にあるので、回った地域と合わせる
直書きか書き置きか 無くても困らない 貼る前なら紙で分かる。帳面に貼ったあとは見分けにくくなることがある
同行者 無くても困らない その場でしか残らない。写真に写っていれば分かる
天気・境内の様子 無くても困らない 地域の天気は調べられても、その場の様子は残らない
その日の感想 無くても困らない そのときの言葉は戻らない

参拝日と寺社名がそれぞれ2つの分類にまたがっているのは、あとから足せるかどうかが、紙から読み取れる形で残るかどうかで決まるからです。また「無くても困らない」項目も、あとから足しにくいという点では最初の分類と同じです。違うのは、欠けても一覧が壊れないことです。

その場でしか取れない項目は、なぜ始めるときに決める?

途中から足しても、それ以前の記録のぶんは紙を見ても埋められないからです。 たとえば、紙に日付が入らない御朱印の参拝日を50件目から書き留め始めると、1件目から49件目は写真や記憶から推すしかなく、推せないものは空欄のまま残ります。あとから調べて足せる項目なら、遡って埋めればよいので困りません。

紙に日付が入らないのは、日付欄が空のまま授与された書き置きや、霊場を巡っていただく納経帳です。納経帳は墨書に参拝日を入れない形が多く、2巡目からは同じページに朱印を重ねる扱いもあります(どちらも霊場や札所によって違います)。こうした御朱印では紙から日付を読めないので、いちばん確かな手がかりは当日に撮った写真の撮影日になります。重なった朱印の1つずつが、いつの参拝だったかを残す方法は、納経帳の記事に分けました。

撮影日が参拝日そのものではない点にも注意がいります。参拝した日には撮らず、旅から戻ってから撮った写真や、書き置きをまとめて後日撮った写真では、撮影日のほうが後になります。撮影日と前後の写真から参拝日を絞り込む手順は、別の記事にまとめています。

寺社名にも、同じことが起きる場合があります。墨書が崩した字で読めない御朱印では、紙を見ても御朱印の写真を見ても寺社名を起こせず、手がかりはおもに参拝した記憶になります。記憶は年ごとに薄れるので、読めないと感じた御朱印の寺社名は、その日のうちに書き留めておくのが確かです。

ここから言えるのは、参拝の当日にやっておくことは、御朱印の写真を1枚撮ることと、読めない寺社名を書き留めることだけで足りるということです。写真は境内で撮る必要はなく、その日のうちに手元で撮れば、撮影日がそのまま参拝日の控えになります。入力は後日でも、撮影日が残っていれば参拝日を起こせます。

あとから調べて足せる項目は、いつ足せばいい?

一覧を使っていて困ったときに足せば間に合います。 寺社名の読みは漢字を思い出せずに探せなかったとき、場所は地図で思い出したくなったときに足します。始める前に全部そろえる必要はありません。

ただし、同じ「足せる」にも重さの違いがあります。

  • 紙で読める寺社名も、早いうちに入れておきます。 何年経っても帳面から足せる項目ですが、検索の鍵になるので、入っていないあいだは一覧から引けません。最初の4つに入れているのはそのためです。崩した字で読めない寺社名は、上の表のとおり、その場でしか取れない側の項目です。
  • 冊とページは、帳面が増えるほど重くなります。 1冊だけの間は、帳面を開けばすぐ分かります。3冊、4冊となると、写真1枚ごとに帳面をめくって照らし合わせることになります。帳面が2冊目に入った時点で項目に足すのが目安です。紙の側で、表紙の裏や見返しに通し番号と使い始めた日を記しておく方法は「帳面が増えたときに冊ごとの情報を残す方法」に書きました。

無くても困らない項目は、どう残す?

それぞれを項目にせず、メモ1欄に書きます。 同行者・天気・感想・直書きか書き置きかを別々の列にすると、書かない日には空欄が並びます。空欄の多い列は、並べ替えにも検索にも使われないまま、入力の手間だけを増やします。

メモ1欄にまとめておけば、書きたい日だけ書けます。「書き置き。家族と。雨のあとで石段が濡れていた」のように1行で足ります。メモも検索の対象になる道具なら、そこに書いた言葉であとから探せます。何件にもわたって同じことを書くようになったら、そのとき初めて項目に昇格させれば間に合います。

反対に、どの記録にも必ず値が入る事柄は、はじめから項目にしてよい側です。御朱印と御城印を1つの記録にまとめるときの「御朱印か御城印か」がその例で、紙の帳面を分けるかどうかと、種類を項目にした記録の持ち方は別の記事にまとめました。

表計算ソフトで記録する場合も考え方は同じで、列はできるだけ増やさず、メモの列に寄せます。表計算で列にするときの並べ方と詰まりやすい場所は「表計算ソフトで記録するときの列の決め方」にまとめました。

なお、メモは人に見せる前にいちばん気をつけたい欄でもあります。同行者の名前やその日の出来事が書かれているからです。見せる前に外しておくものは「記録を人に見せる前に確かめること」に書きました。

最小の項目セットはどれ?

参拝日・寺社名・写真・メモの4つが最小です。 手元の帳面によって、次のように足します。

手元の状況 最初から持つ項目 項目の数
御朱印帳が1冊だけ 参拝日・寺社名・写真・メモ 4
御朱印帳が2冊以上 上の4つに、冊とページ 6
日付の入らない帳面や書き置きもある 上のどちらかに加え、参拝日が推定かどうかをメモに書く 4または6

4つを選んだのは、役割がそれぞれ違うからです。参拝日は並べ替えの鍵、寺社名は検索の鍵、写真はほかの項目をあとから確かめ直すための元です。写真があれば、紙で読める寺社名も紙に書かれた日付も、帳面を出さずに見直せます。メモは、項目にしなかったものを受け止める欄です。

記録に枠として用意しておく項目をこの4〜6つにすることと、すでに溜まった御朱印について、どの項目を全件先に埋めるかは、別の問いです。溜まったぶんに全件先に埋めるのは、参拝日と寺社名の2つで足ります。溜めてしまった記録を2つの項目から立て直す進め方と、一覧のどの列から全件そろえるかは、それぞれ別の記事に書きました。

項目を増やしすぎると、何が起きる?

入力が重くなって記録が止まりやすくなり、空欄の意味も分からなくなります。 最初に10項目を決めても、始めのうちは全部埋められます。けれども件数が増えて入力が追いつかなくなると、後回しにした項目から空欄が出始めます。

手間は、おおよそ項目の数に比例して増えます。仮に1項目の入力に10秒かかるとすると、10項目なら1件に100秒、100件で3時間近くになります。4項目なら1件に40秒、100件で1時間強です。溜まったぶんをまとめて片づける人ほど、この差がそのまま効いてきます。

もう1つの問題は、空欄が「調べても分からなかった」のか「まだ調べていない」のか「当てはまらない」のか、見分けがつかなくなることです。空欄が並ぶと、どこまで進んだかも分からなくなります。止まった記録を、新しい参拝ぶんから立て直す順番は、別の記事にまとめました。

項目を減らしたくなったら、列は消さずに、どこから書くのをやめたかを残しておくのが安全です。列を消すと、それまでに入れた値も一緒に失われます。何も残さずに空欄にし始めると、上に書いた「空欄の意味が分からない」状態に戻ります。

開発しているアプリの場合

このアプリの項目は決まっていて、利用者が自分で項目を足すことはできません。 持っている項目は、上の最小セットの4つに、冊とページ・寺社名の読み・場所を足したものです。

  • : 表紙・購入した寺社・開始日を持ちます。1冊目は購入なしで、件数の制限なく記録できます。2冊目以降は買い切りの「台帳フル」です。
  • ページ: 番号は自動で振られ、上下の移動で並べ替えられます。
  • 参拝日: 写真をまとめて取り込むと、撮影日が初期値として入ります。和暦(令和・平成・昭和・大正・明治)で直せて、参拝した日の順に並びます。
  • 寺社名と読み: 寺社名・読み・メモ・和暦の参拝日で検索でき、結果にはどの冊の何ページかが出ます。
  • 場所: 任意です。地図をタップしてピンを置きます。位置情報の許可は求めません。
  • 写真: 長辺 2,048px 程度に縮小して保存します。
  • メモ: 御朱印1件に1欄で、検索の対象になります。

同行者や天気といった専用の欄はありません。残したい場合は、メモに書きます。

CSV で書き出すと、寺社名・参拝日(和暦と西暦)・冊とページ・メモなどが1行1件で並び、Excel で開いても文字化けしない形式です。場所は CSV にも PDF にも載りません。CSV の列と PDF に載るものの一覧は、書き出しの記事にまとめました。PDF / CSV の書き出しは「台帳フル」に含まれます。購入なしで使える範囲は料金の説明にまとめてあり、価格は App Store の表示をご確認ください。

よくある質問

御朱印をいただいた時刻も残したほうがいいですか?
多くの場合は要りません。意味があるのは、同じ日に何か所も回ったときの順序を知りたい場合くらいです。その順序も、境内や道中で撮った写真が残っていれば撮影時刻からたどれるので、別に書き留めなくても足ります。
貼っていない書き置きは、冊とページをどう残しますか?
貼っていない書き置きには紙の上の場所が無いので、冊とページは空けておき、保管している場所(クリアファイルや箱の名前など)をメモに毎回同じ言い方で書きます。帳面に貼ったら、そのときに冊とページを入れます。空けてある理由がメモにあれば、入れ忘れの空欄と見分けられます。
家族で御朱印を集めている場合、誰のものかを項目にすべきですか?
帳面を人ごとに分けているなら、冊が分かれば誰のものかも分かるので、項目にする必要はありません。1冊を共有している場合や、書き置きを家族でまとめて保管している場合だけ、メモに名前を書いておけば足ります。
その場でしか取れない項目を残し忘れていたと、途中で気づきました。
気づいた時点から残し始めてください。それ以前のぶんは、写真の撮影日や前後の写真で分かる範囲だけ埋め、分からないものはその旨をメモに書いておきます。全件を遡って埋めようとすると、そこで記録が止まりがちです。
見開きの御朱印かどうかは、項目にしますか?
写真を見れば分かるので、項目にしなくても困りません。見開きのものだけをあとで探したい場合は、メモに毎回同じ言葉で書いておくと、検索で拾えます。言葉が記録ごとに違うと拾えないので、書き方を1つに決めておくのが要点です。