あとから御朱印帳

御朱印の記録を書き出す:PDF・CSV・バックアップの違い

CSV は御朱印1件を1行に並べた文字だけの表で、表計算ソフトで並べ替えや件数の集計ができますが、写真そのものは入りません。PDF は写真ごと紙面に並べた写しで、見返す・印刷する・人に渡すのに向きますが、並べ替えはできません。機種変更や故障に備える控え(バックアップ)は元の道具へ戻すためのファイルで、暗号化されていれば開いても読めず、反対に CSV と PDF からは記録を元の形に戻せません。読むための書き出しと戻すための控えを1つずつ持っておくと、端末を失ったときにも、その道具を使わなくなったときにも困りません。

公開: 文: 友田 陽大(あとから御朱印帳 開発者)

この記事の要点

  • 書き出しには、元に戻すための「控え」と、人が読むための「CSV・PDF」の2種類があります
  • 暗号化した控えは開いても読めず、CSV と PDF からは記録を元の形に戻せません
  • CSV は文字だけの表で、写真の列があっても入るのは写真のファイル名だけです
  • PDF は写真ごと見返せますが並べ替えはできず、メモまで載る場合は渡す前に読み返します
  • 機種変更の前は控え、見返す・数える・紙にするときは CSV か PDF を選びます

この記事は、御朱印の記録を書き出した3種類のファイル(控え・CSV・PDF)に、それぞれ何が入り、何に使えて何に使えないかだけを扱います。新しい端末へ記録を移す手順、表計算ソフトでの列の整え方、印刷する紙の構成には踏み込みません。

「書き出し」と「バックアップ」は何が違う?

バックアップ(この記事では「控え」と呼びます)は記録を元の道具へ戻すためのファイルで、CSV や PDF の書き出しは人が中身を読むためのファイルです。 どちらも記録をファイルにして外へ出す操作なので同じものに見えますが、作る目的が逆を向いています。

控えは、機種変更・故障・紛失のあとで、記録を元の状態のまま戻すために作ります。写真も、冊とページの並びも、地図に置いた場所も、そろって戻る必要があります。そのぶん、人が開いて読む形にはなっていないことが多くあります。

読むための書き出しは、アプリを開かずに見返す・表計算で数える・紙にする・人に見せる、といった用途のために作ります。こちらは誰でも開けますが、元の道具へ戻すことは前提にしていません。

記録を一覧で持つと何が見返せるようになり、どの項目を列にすればよいかは、見返す場面ごとに必要な列を決める考え方を、別の記事に書きました。この記事は、その一覧をファイルとして手元に出す段階の話です。

控え・CSV・PDF を並べて比べる

写真が入るのは控えと PDF、並べ替えや集計ができるのは CSV、元の道具へそのまま戻せるのは控えだけです。 形式として一般的な違いを表にまとめます。

控え(バックアップ) CSV PDF
作る目的 元の道具へ戻す 表計算で並べ替える・数える 見返す・印刷する・渡す
開いて中身を読めるか 暗号化されていれば読めない 表計算ソフトで読める 誰でも読める
元の道具へ戻せるか 戻せる 道具によっては文字だけ戻る 戻せない
写真 入る 入らない 入る
並べ替え・集計 戻したあと、元の道具で行う できる できない
備える場面 機種変更・故障・紛失 自分で集計する・道具を替える 紙に残す・人に見せる

CSV は、文字をカンマで区切って並べただけの形式です。写真を入れる場所がそもそも無いので、CSV を取り込める道具があっても、戻るのは文字の部分だけになります。PDF は紙面の写しで、中の文字を記録として読み戻すことは想定されていません。

控えだけでは、中身を確かめられない

暗号化した控えは、元の道具に取り込まない限り、何が入っているかを人の目で確かめられません。 ほかのアプリで開いても、意味のある文字は出てきません。

これが効いてくるのは、元の道具が使えなくなったときです。数年後に別の記録方式へ移ろうとして、手元に控えのファイルが10個残っていても、そこから寺社名と参拝日を書き写すことはできません。控えが約束しているのは「同じ道具で戻せる」ことだけです。

もう1つは、控えが本当に使えるかを外から見られないことです。送る途中でファイルが欠けていないか、入れたつもりの記録がそろっているかは、実際に戻してみるまで分かりません。

読むための書き出しだけでは、元に戻せない

CSV と PDF がどれだけそろっていても、端末を失ったあとに記録を元の形へ戻すことはできません。 読める写しは残っても、記録そのものは残っていないからです。

具体的に考えます。御朱印300件を記録した iPhone が壊れ、手元には冊ごとの PDF が3つだけ残っていたとします。見返すことはできます。けれど、新しい端末で寺社名から探す、次の参拝を足す、参拝日を直す、といったことをするには、300件を入れ直すことになります。元の写真を写真アプリから消していれば、写真は PDF の紙面から1枚ずつ取り出すところからです。

CSV だけが残っていた場合は、寺社名と参拝日の文字はそろっていても、写真は1枚も入っていません。

控えを開く鍵は、パスフレーズだけ

パスフレーズで暗号化した控えは、パスフレーズを入れない限り作った本人にも道具の提供者にも中身を読めず、忘れるとそのファイルからは記録を戻せません。 パスフレーズの残し方と、戻ったことを件数で確かめる流れは、書き出した控えを端末の外に置き、新しい端末で試す手順にまとめました。

どれを、いつ作ればいい?

機種変更や故障に備えるなら控えを、見返す・数える・紙にするなら CSV か PDF を作ります。 目的から逆にたどると迷いません。

いまの目的 作るもの 気をつけること
機種変更・故障・紛失に備える 控え 新しい端末で戻せるかを試す
年ごとの件数を数える・寺社名で並べる CSV 写真は入らない
冊ごとに見返す・印刷する PDF 並べ替えはできない
家族や友人に見せる PDF メモの中身を読み返してから渡す

CSV を表計算ソフトで開いて並べ替えるなら、和暦の列で並べると順番が狂う理由と、冊とページの順に戻す工夫を先に読んでおくと迷いません。PDF を紙にするなら、紙に載せる項目と、冊ごとか年ごとかのまとめ方を先に決めておくと刷り直しが減ります。人に渡す前に確かめるところは、メモ・写真の撮影地・同行者の名前の扱いにまとめました。

その道具を使わなくなった日にも記録を手元で読めるのは、読むための書き出しのほうです。 端末を失う日に備える控えと合わせて1つずつ持っておくと、どちらの事態にも困りません。

開発しているアプリの場合

開発しているアプリ「あとから御朱印帳」では、控えは購入なしで作れ、CSV と PDF の書き出しは買い切りの「台帳フル」に含まれます。 3種類それぞれに何が入るかを、そのまま書いておきます。

控え(購入なしで使えます)。 記録と写真をまとめてパスフレーズで暗号化した .goshuin のファイル1つで、書き出して新しい端末で戻す手順はこのアプリの控えを使った機種変更の流れに書きました。

CSV(「台帳フル」)。 設定の「CSV を書き出す」から、全記録を1つのファイルにします。1行目が列の名前で、2行目から1行に御朱印1件、列は「冊・ページ・参拝日(西暦)・参拝日(和暦)・寺社名・読み・メモ・写真ファイル」の8列です。

  • 参拝日(西暦)は 2019-05-01、参拝日(和暦)は「令和元年5月1日」の形で入ります。行は参拝日の古い順で、参拝日が空の記録は最後に来ます。
  • 冊の列に入るのは冊に付けた名前で、ページの列はページ番号です。冊に入っていない御朱印は、どちらも空欄になります。
  • 写真ファイルの列に入るのは、アプリの中で写真を指すファイル名だけです(写真が複数あれば空白で区切って並びます)。写真そのものは入りません。
  • 位置情報の列はありません。
  • Excel で開いても文字化けしない形式(UTF-8 の BOM つき)です。セルの先頭が =- などの記号だと表計算ソフトが数式として実行しうるので、その場合は先頭に「'」を1文字足した形で書き出します。メモを「-」で書き始めていると、そのメモにも「'」が付きます。
  • ファイル名には書き出した日付が入ります(例: goshuin-2026-09-17.csv)。

PDF(「台帳フル」)。 設定の「PDF を書き出す」から、冊ごとに1ファイルを作ります。冊に入っていない御朱印があれば、そのぶんも1ファイルになります。

  • 先頭にアプリの名前、冊の名前の見出し、ページ番号ごとの見出しが入り、その下に御朱印ごとの写真・和暦と西暦の参拝日・寺社名・メモが載ります。
  • 写真は長辺 800px 程度へ縮めた写しです。
  • 末尾に、PDF を作った日付が入ります。
  • 位置情報と寺社名の読みは載りません。
  • メモはそのまま載ります。 メモだけを外して書き出す設定は無いので、人に渡す前にメモの中身を読み返してください。

取り込んだまま、まだ冊に入れていない写真は、まだ御朱印の記録になっていないので、控え・CSV・PDF のどれにも入りません。書き出す前に、冊に入れておきます。

できないことも書いておきます。控えの .goshuin をアプリの外で開いて読む手段は用意していません。CSV や PDF を読み込ませて記録を戻すこともできません。複数の端末のあいだで同期もしません。

1冊目は購入なしで、件数の制限なく記録できます。「台帳フル」で使えるようになるものの一覧は料金の欄に並べました。価格は App Store の表示をご確認ください。

よくある質問

CSV を Numbers や Google スプレッドシートで開くと、どう並びますか?
このアプリの CSV では、1行目に「冊」「ページ」などの列の名前が、2行目から御朱印が1行に1件ずつ並びます。参拝日(西暦)は 2019-05-01 の形で書き出していますが、表計算ソフトが日付として読み取り、表示の形を変えることがあります。参拝日(和暦)は「令和元年5月1日」の形の文字なので、この列で並べ替えると参拝した順になりません。並べ替えは西暦の列で行ってください。
PDF をスマートフォンで見返すには、どこに置けばいいですか?
書き出すと共有シートが開くので、iPhone の「ファイル」アプリに保存しておくと、アプリを開かずに見返せます。このアプリの PDF は冊ごとに1ファイルなので、冊が3冊あれば共有シートが3回続けて開きます。1つずつ保存してください。冊に入っていない御朱印があれば、そのぶんでもう1回開きます。
書き出した CSV を、別の記録アプリや自分の表に移せますか?
文字の部分は移せることがあります。移る先が CSV の読み込みに対応していても、列の名前や並び、日付の書き方をその道具の形に合わせる必要があるので、表計算ソフトで列を整えてから読み込むことになります。写真は CSV に入っていないので、写真アプリに残っている元の写真から別に取り込みます。PDF は紙面の写しなので、移す材料には向きません。
書き出したあとに記録を直したら、PDF や CSV にも反映されますか?
反映されません。書き出したファイルは、書き出した時点の記録の写しです。参拝日や寺社名を直したあとに使うなら、書き出し直してください。このアプリでは PDF の末尾に作成した日付が入り、CSV はファイル名に書き出した日付が入るので、手元の写しがいつの時点のものかを見分けられます。
控えと CSV・PDF は、それぞれいつ作り直せばいいですか?
CSV と PDF は、見返す・数える・紙にする直前に作れば足ります。控えは、日数より増えた件数で決めるほうが実態に合います。控えを作ってから10件足していれば、その控えだけで戻したときに欠けるのはその10件です。このアプリは、端末の外に保存できたと答えた書き出しのあとに記録が50件増えると、ホーム画面で書き出しを促します(保存を一度も確かめていなければ、1件目の記録から促します)。