あとから御朱印帳

機種変更で御朱印アプリの記録は消える? 移行前に確認しておくこと

機種変更で記録が移るかは、記録がどこに保存されているかで決まります。提供元のサーバーに置く形なら同じアカウントで入り直せば戻り、端末内に置く形なら、iPhone 標準の移行(iCloud バックアップからの復元やクイックスタート)で一緒に移るかがアプリの作りによって違います。どの形でも、書き出せるなら移行の前に控えを作って元の端末とは別の場所に置き、新しい端末で読み込んだ御朱印の件数と写真の枚数が古い端末と合うまでは、古い端末を初期化しないでおくのが確実です。

公開: (最終更新: ) 文: 友田 陽大(あとから御朱印帳 開発者)

この記事の要点

  • 記録の保存場所が「端末内だけ」か「クラウド同期」か「提供元のサーバー」かで話が変わります
  • 移行前にやることは3つ:書き出す・別の場所に置く・新しい端末で読み込めるか試す
  • 「バックアップを取った」と「復元できることを確かめた」は別のことです
  • パスフレーズで暗号化した控えは、パスフレーズを忘れるとそのファイルからは戻せません
  • 写真つきの記録は端末の容量を使います。移す先の端末の空き容量も先に見ておきます

この記事は、すでに貯めてある御朱印の記録を、機種変更で新しい端末へ引き継ぐ前に確認しておくことだけを扱います。記録アプリの選び方や、特定のアプリの不具合、他のアプリの内部の作りには踏み込みません。外から検証できないことを断定しないためです。

機種変更したら、これまでの御朱印の記録はどうなりますか?

記録が消えるのは、記録が古い端末の中にしか無く、iPhone 標準の移行でも控えのファイルでも新しい端末へ運ばれなかったときです。 どちらの道が使えるかは、記録がどこに保存されているかで決まります。ここを確かめないまま機種変更に進むのが、いちばん危ない進み方です。

御朱印帳そのものは手元に残ります。けれども、写真を見ながら直した参拝日や、書き添えたメモは、記録が消えれば一件ずつ起こし直すことになります。100件あれば100件ぶんです。だからこそ、移行の前に手を打つ価値があります。

記録がどこにあるかで話が変わる

保存場所は「端末内だけ」「端末内+クラウド同期」「提供元のサーバー」の3つに分かれ、機種変更のときに気をつけることがそれぞれ違います。

保存場所 機種変更のとき 気をつけること
端末内だけ iPhone 標準の移行で一緒に移るかはアプリの作りによる。書き出しの機能があれば、控えを新しい端末で読み込む道もある 標準の移行を使わずに設定し直すと、控えが無ければ戻らない
端末内+クラウド同期 同じアカウントで入れば同期される 同期が止まっていることに気づきにくい
提供元のサーバー 同じアカウントで入り直せば戻る 提供が終わると、取り出す手段が無くなることがある

ここでいう iPhone 標準の移行は、新しい iPhone を iCloud バックアップから復元する方法と、古い iPhone を近づけてデータを移すクイックスタートのことです。

どれが優れているということはありません。 端末内だけの形は、記録が外に出ない代わりに、移行の責任がご自身にあります。サーバーに置く形は、移行が楽な代わりに、記録の所在が手元にありません。

ご自身が使っているものがどれなのかは、たいていアプリの説明文か設定画面に書かれています。分からない場合は、書き出しの機能があるかどうかを見てください。あるなら、少なくとも手元に取り出す道があります。ただし書き出しには、戻すための控えと、PDF や表計算ソフト向けの一覧のような読むための書き出しがあり、後者は新しい端末で読み込んで戻すことに使えるとは限りません。戻すための控えと、読むための書き出しの違いは、別の記事で並べました。

移行前にやっておく3つのこと

保存場所がどれであっても、機種変更の前に「書き出す」「別の場所に置く」「新しい端末で読み込めるか確かめる」の3つをやっておきます。 iPhone 標準の移行で済ませるつもりの場合も、戻らなかったときの保険になります。

1. 書き出す。 書き出しの機能があるなら実行します。ファイルとして手元に残る形にしてください。パスフレーズを付けて暗号化する形式なら、そのパスフレーズを紙など端末の外にも控えます。忘れると、暗号化の性質上そのファイルからは戻せないためです。

2. 書き出したファイルを別の場所に置く。 ここを飛ばす人が多いところです。同じ端末の中だけに置いたファイルは、バックアップとして機能しません。 端末が壊れれば一緒に失われます。クラウドストレージ、パソコン、別の端末——どこでも構いませんが、元の端末とは別の場所に控えを置いてください。

3. 新しい端末で読み込めるか確かめる。 これがいちばん大切で、いちばん飛ばされます。「バックアップを取った」と「復元できることを確かめた」は別のことです。 ファイルが作られていても中身が欠けていることはあり得ますし、読み込む手順を知らないままでは、必要なときに使えません。読み込めたら、御朱印の件数と写真の枚数を古い端末の数と突き合わせます。開けたかどうかだけでなく、数が合うことまで見てはじめて、欠けていないと言えます。

1と2は、移行の作業をする当日ではなく、前日までに済ませておきます。当日は時間に追われていて、うまくいかなかったときに立ち止まれません。

移す先の端末の空き容量も見ておく

写真つきの記録は写真の枚数に応じて大きくなるので、移す先の端末にも、少なくともその記録と同じだけの空きが要ります。 御朱印の写真を数百枚も登録していれば、記録全体はそれなりの大きさになります。

控えのファイルから読み込む形では、途中でファイルそのものと、そこから取り出した写真が一時的に両方並ぶことがあり、そのぶんさらに余裕が要ります。新しい端末の容量を選ぶときに、いま使っている量を先に見ておいてください。

機種変更を機に、別のアプリへ移る場合

移る先を選ぶときは、記録を入れ始める前に「自分の手元に書き出せるか」を確かめておきます。 書き出せない道具に何年ぶんも入れると、次の機種変更や乗り換えのたびに同じ不安を抱えることになります。記録の置き場所から記録アプリを選ぶときの見方は、別の記事に整理しました。

開発しているアプリの場合

開発しているアプリ「あとから御朱印帳」では、記録と写真は端末の中にだけあり、機種変更で移す道は「iPhone 標準の移行」と「暗号化した控えのファイル」の2つです。 記録や写真をサーバーに送ることはなく、アカウントも同期の仕組みもありません。どちらの道も、アプリ内の購入なしで使えます。

  • iPhone 標準の移行。 記録と写真は iOS 標準のバックアップの対象なので、新しい iPhone を iCloud バックアップから復元するか、クイックスタートで移せば、アプリの記録も一緒に戻ります。
  • 暗号化した控えのファイル。 記録と写真をまとめて、拡張子 .goshuin のファイル1つに書き出します。パスフレーズは8文字以上で、打ち間違いを防ぐため書き出すときに2回入力します。共有シートから iCloud Drive や AirDrop で端末の外へ送り、新しい端末では「Files から取り込む」でファイルを選んで、同じパスフレーズで戻します。パスフレーズを忘れると、そのファイルからは戻せません。

書き出したあとは、そのファイルを端末の外に保存できたかをアプリが尋ねます。「はい」と答えたときだけ最終書き出しの日時を記録するので、共有シートを閉じただけで書き出し済みと表示されることはありません。

上の手順3の突き合わせには、アプリが出す数を使えます。書き出したときには御朱印の件数と写真の枚数が、読み込み終えたときには追加・更新した御朱印の件数と写真の枚数が出ます。取り込んだまま冊に入れていない写真があれば、その枚数も並びます。写真が見つからずに控えに入らなかったもの、読み込みで戻せなかったものがあれば、その枚数も添えて出るので、そのときは古い端末をまだ手放さないでください。読み込みは、新しい端末にすでにある記録を消さずに足し合わせる形で、同じ記録があれば新しいほうが残ります。読み込むには、ファイルの大きさのおよそ2倍の空き容量が要ります。写真は長辺 2,048px 程度に縮小して保存していますが、件数が増えれば容量が増えることは変わりません。

写真ライブラリから取り込んだまま、まだ冊に入れていない写真も、控えのファイルに入ります。 新しい版のアプリで書き出した控えは、それより古い版のアプリでは読み込めないか、一部が戻らないことがあるので、新しい端末には App Store から最新の版を入れてから読み込んでください。

できないことも書いておきます。

  • 「台帳フル」で使える PDF と CSV の書き出しは読むためのもので、アプリに読み込んで記録を戻すことはできません。
  • ほかのアプリで書き出したファイルは読み込めません。
  • 「台帳フル」の購入は、控えのファイルには入りません。購入は App Store 側の記録から戻るもので、新しい端末で反映されていなければ、設定の「購入を復元」から、購入したときと同じ Apple のアカウントで戻します。何が購入の対象になるかは料金の節にまとめています。

iPhone 標準の移行を使わない場合、控えの書き出しと読み込みはご自身の操作になります。ここは楽ではない部分で、そのかわり記録が手元から出ません。どちらを重く見るかは、お使いになる方の判断だと思っています。

移したあとの記録を冊とページの順に整える手順は「スマホに溜まった御朱印の写真を、あとから整理して記録する手順」にまとめました。

よくある質問

書き出したファイルのパスフレーズを忘れたらどうなりますか?
暗号化の性質上、そのファイルからは戻せません。古い端末がまだ手元にあって記録が残っているなら、新しいパスフレーズでもう一度書き出せば済みます。古い端末を初期化したり手放したりしたあとで忘れたと分かった場合は、取り返す手段がありません。
新しい端末で読み込む前に、古い端末の記録を消してもいいですか?
消さないでください。新しい端末で読み込み、御朱印の件数と写真の枚数が古い端末と合うことを確かめるまでは、古い端末がいちばん確かな控えです。初期化や下取りに出すのは、その確認が済んでからにします。確認が済むまでは古い端末で記録を足さないでおくと、どちらに何が入っているかで迷いません。
読み込んだあと、件数や枚数が古い端末と合いません。どうすればいいですか?
まず、書き出したあとに古い端末で記録を足していないか、新しい端末にもともと記録が入っていなかったかを見ます。どちらでもなければ、古い端末を残したまま、書き出しからやり直します。控えを2回読み込むと同じ記録が重なるアプリもあるので、読み込み直す前に、そのアプリでの扱いを説明で確かめてください。
新しい iPhone でアプリを開いたら、記録が空でした。
iPhone 標準の移行を使わずに新しい端末を設定した場合や、記録を移行の対象に含めない作りのアプリでは、アプリを入れ直しても記録は入っていません。古い端末が手元にあるなら、そこで控えを書き出して新しい端末で読み込むのが近道です。iCloud バックアップから戻し直すには新しい端末を一度初期化することになり、その端末に入れたものも消えるので、先に控えを取ってから判断してください。
古い端末が壊れて、控えも取っていませんでした。記録は戻せますか?
壊れる前に iCloud バックアップが取られていて、アプリの記録がその対象なら、新しい iPhone をそのバックアップから復元すると戻ります。提供元のサーバーに記録を置く形なら、同じアカウントで入り直します。どちらにも当てはまらなければ、記録そのものは戻せません。手元の御朱印帳と、ほかの場所に残っている御朱印の写真から、記録を起こし直すことになります。
取り込んだまま冊に入れていない写真も、控えのファイルで移せますか?
移せます。控えのファイルには、御朱印として保存した記録と写真に加えて、写真ライブラリから取り込んだまま一覧に残っている写真も入り、書き出しと読み込みのときに出る件数にも、取り込んだ写真の枚数として並びます。新しい版のアプリで書き出した控えは、それより古い版のアプリでは読み込めないか、一部が戻らないことがあるので、新しい端末には App Store から最新の版を入れてから読み込んでください。