あとから御朱印帳

機種変更で御朱印アプリの記録は消える? 移行前に確認しておくこと

文: 友田 陽大(あとから御朱印帳 開発者)

記録がどこに保存されているかで結論が変わります。端末内だけに保存する形なら、自分で書き出して新しい端末に読み込ませる操作が必要です。提供元のサーバーに保存する形なら、同じアカウントで入り直せば戻ります。どちらであるかを機種変更の前に確認し、書き出す手段があるなら実際に書き出して、新しい端末で読み込めるところまで試しておいてください。

この記事の要点

  • 記録の保存場所が「端末内だけ」か「クラウド同期」か「提供元のサーバー」かで話が変わります
  • 移行前にやることは3つ:書き出す・別の場所に置く・読み込めるか試す
  • 「バックアップを取った」と「復元できることを確かめた」は別のことです
  • 写真つきの記録は端末の容量を使います。これは端末内保存の代償です
  • アプリを選ぶ時点で「自分の手元に書き出せるか」を確かめておきます

この記事は、御朱印の記録を新しい端末へ引き継ぐ前に確認しておくことだけを扱います。特定のアプリの不具合や、他のアプリの内部の作りには触れません。外から検証できないことを断定しないためです。

機種変更したら、これまでの御朱印の記録はどうなりますか?

記録がどこに保存されているかで、答えがまったく変わります。 ここを確かめないまま機種変更に進むのが、いちばん危ない進み方です。

御朱印の記録は、何年もかけて少しずつ増やしていくものです。100件を超えた頃には、作り直すことは事実上できません。参拝そのものをやり直せないからです。だからこそ、移行の前に手を打つ価値があります。

記録がどこにあるかで話が変わる

保存場所は大きく3つに分かれます。

保存場所 機種変更のとき 気をつけること
端末内だけ 自分で書き出して読み込ませる 操作を忘れると失われる
端末内+クラウド同期 同じアカウントで入れば同期される 同期が止まっていることに気づきにくい
提供元のサーバー 同じアカウントで入り直せば戻る 提供が終わると取り出せなくなる

どれが優れているということはありません。 端末内だけの形は、記録が外に出ない代わりに、移行の責任がご自身にあります。サーバーに置く形は、移行が楽な代わりに、記録の所在が手元にありません。

ご自身が使っているものがどれなのかは、たいていアプリの説明文か設定画面に書かれています。分からない場合は、書き出しの機能があるかどうかを見てください。あるなら、少なくとも手元に取り出す道があります。

移行前にやっておく3つのこと

保存場所がどれであっても、この3つは共通です。

1. 書き出す。 書き出しの機能があるなら実行します。ファイルとして手元に残る形にしてください。

2. 書き出したファイルを別の場所に置く。 ここを飛ばす人が多いところです。同じ端末の中だけに置いたファイルは、バックアップとして機能しません。 端末が壊れれば一緒に失われます。クラウドストレージ、パソコン、別の端末——どこでも構いませんが、元の端末とは別の場所に控えを置いてください。

3. 新しい端末で読み込めるか確かめる。 これがいちばん大切で、いちばん飛ばされます。「バックアップを取った」と「復元できることを確かめた」は別のことです。 ファイルが作られていても中身が欠けていることはあり得ますし、読み込む手順を知らないままでは、必要なときに使えません。

可能なら、機種変更の当日ではなく、その前に一度試してください。当日は時間に追われていて、うまくいかなかったときに立ち止まれません。

写真つきの記録は端末の容量を使う

不利な点も自分から書いておきます。

端末内に写真を保存する設計である以上、記録が増えれば容量を使います。 御朱印の写真を数百枚も登録すれば、それなりの大きさになります。これは端末内保存を選んだことの代償であって、避けようがありません。

サーバーに預ける形なら端末の容量は使いませんが、そのかわり記録が手元から離れます。どちらを取るかという選択で、片方だけが得ということはありません。

写真の枚数が多くなる見込みなら、容量に余裕のある端末を選ぶか、定期的に書き出して古いものを整理する運用が要ります。

アプリを選ぶ時点で「書き出せるか」を確かめる

すでに記録を貯めてしまってから移行を考えるより、選ぶ時点で確認しておくほうがずっと楽です。確認するのは1点だけで構いません。

記録を自分の手元に書き出せるか。

書き出せるなら、そのアプリを使わなくなったときにも記録は残ります。別の方式に移ることもできます。書き出せないなら、記録はそのアプリと運命を共にします。何年ぶんもの参拝の記録を、他人の事業の継続性に預けることになります。

開発しているアプリの場合

参考として、こちらの設計も書いておきます。

記録は端末内の台帳に保存し、外部に送信しません。書き出しは2通りで、パスフレーズで暗号化した .goshuin という形式のファイルと、写真と一覧を含む ZIP です。前者は復元用、後者は中身を自分で確認したいとき向けです。読み込みも同じ画面から行います。

同期の仕組みは持っていません。したがって書き出しはご自身の操作になります。ここは楽ではない部分で、そのかわり記録が手元から出ません。どちらを重く見るかは、お使いになる方の判断だと思っています。

記録の持ち方そのものについては「御朱印の記録アプリを「アカウント不要・端末内保存」で選ぶ」に、整理の手順は「スマホに溜まった御朱印の写真を、あとから整理して記録する手順」にまとめました。

よくある質問

機種変更したら、これまでの御朱印の記録はどうなりますか?
保存場所によります。端末内だけに保存する形なら、書き出しと読み込みの操作をご自身で行う必要があります。iPhone の標準バックアップから復元する場合はアプリのデータも一緒に戻ることが多いのですが、復元の方法によっては戻らないこともあるため、書き出しを併用するのが確実です。
バックアップを取っておけば安心ですか?
取っただけでは分かりません。「復元できること」を一度確かめてはじめて、バックアップとして機能します。ファイルが作られていても中身が欠けていることはあり得ますし、読み込む手順が分からないままでは、必要なときに使えません。
書き出したファイルはどこに置いておけばいいですか?
同じ端末の中だけに置かないでください。端末が壊れたときに一緒に失われます。クラウドストレージやパソコンなど、端末とは別の場所に控えを置いてください。
写真を大量に登録すると端末の容量を圧迫しませんか?
します。端末内に保存する設計である以上、記録が増えれば容量を使います。これは端末内保存を選んだことの代償で、避けられません。写真の枚数が多くなる見込みなら、容量に余裕のある端末を選ぶか、定期的に書き出して整理する運用が要ります。
アプリを選ぶときに何を確認すればいいですか?
「記録を自分の手元に書き出せるか」の1点です。書き出せるなら、そのアプリを使わなくなったときにも記録は残ります。書き出せないなら、記録はそのアプリと運命を共にします。