あとから御朱印帳

御朱印の記録を人に見せる前に、外しておくもの

人に見せる前に外しておくのは、自分用に書いたメモ、自宅や勤務先が推測できる手がかり、写真に残った撮影地、同行者の名前の4つです。画面を横で見せるだけなら相手の手元には何も残りませんが、写真・PDF・紙・表を渡すと、相手はいつでも読み返せて、ほかの人にも回せます。一度送ったファイルはこちらから消せないので、外すのは必ず渡す前です。

公開: 文: 友田 陽大(あとから御朱印帳 開発者)

この記事の要点

  • 外しておくのは、自分用のメモ・自宅や勤務先の手がかり・写真の撮影地・同行者の名前の4つです
  • 住所を書いていなくても、近所の寺社への参拝の回数や日付の偏りから、住んでいる地域の見当がつきます
  • 自宅の机で撮った御朱印の写真は、位置情報が寺社ではなく自宅を指していることがあります
  • 家族から会ったことの少ない知人へと相手が遠くなるほど、外す範囲を広げます
  • 機種変更のための暗号化した控えは、パスフレーズと一緒に渡すと全記録を渡すことになるので、見せる目的には使いません

この記事は、集めた御朱印の記録を家族や知人に見せる・渡すときに、相手の手元に何が残り、その前に何を外しておくかだけを扱います。御朱印を写真に撮ることや、SNS に載せてよいかどうかには踏み込みません。

人に見せる前に、何を外しておけばいい?

外しておくのは「自分用に書いたメモ」「自宅や勤務先が推測できる手がかり」「写真に残った撮影地」「同行者の名前」の4つです。 どれも記録を作った本人には当たり前すぎて、見せる直前に見落としやすいものです。

記録は、ふつう自分が見返すために作ります。記録を一覧の形で持つと、参拝日や寺社名で並べ替えて何年ぶんも見返せるようになりますが、その便利さは人の手に渡ったときにも同じように働きます。自分には役に立つ情報が、相手の手元では「どのあたりに住み、いつ誰と出かけているか」を読み取れる材料になります。

見せ方を選ぶ前に決めるのは1つだけで、見せるだけで済むのか、相手の手元に残す必要があるのかです。

見せ方によって、相手の手元に残るものが違う

画面を横で見せるだけなら相手の手元には何も残りませんが、写真・PDF・紙・表を渡すと、相手がいつでも読み返せて、ほかの人にも回せる形で残ります。 見せ方ごとに並べると次のとおりです。

見せ方 相手の手元に残るもの 見落としやすいところ
自分の画面を横で見せる 相手がその場で撮らない限り、何も残らない 画面をめくると、見せるつもりのない記録やメモまで目に入る
スクリーンショットを送る 画像1枚ぶん 画面の端のメモや、隣の記録の寺社名が写り込む
印刷した紙を渡す 撮影やコピーで、またファイルに戻せる
御朱印の写真を送る 写真のファイル 撮影日時と、設定によっては撮影地の位置情報も一緒に渡る
PDF を渡す 写真と文字が並んだファイル 作り方によっては、メモ欄まで丸ごと載る
表のファイルを渡す 並べ替えや絞り込みができる文字の一覧 並べ替えるだけで、よく通う寺社や日付の偏りが見えてしまう

下の行ほど、相手があとから扱える情報がおおむね増えていきます。残す必要が無いなら、いちばん上の「画面で見せる」で足ります。 帰省したときに祖父母へ御朱印帳の話をする、といった場面の多くはこれで済みます。相手があとから見返したい場合は紙か PDF になります。紙にするなら、刷る項目と刷らない項目の分け方を別の記事で整理しました。

見せる相手によって、外す範囲はどう変わる?

相手が遠くなるほど、ファイルがその先へ回る見込みが大きくなるので、外す範囲を広げます。 同じ PDF でも、一緒に暮らす家族に渡すのと、同じ趣味で知り合った人に送るのとでは、届きうる範囲が違います。

相手 その先へ回る見込み 外しておくもの
一緒に暮らす家族 低い。家族の端末から友人に見せることはある 家族にも話していない内容のメモ
離れて暮らす家族・親しい友人 親戚や共通の知人へ回ることがある 上に加えて、同行した人の名前、体調や仕事のメモ
同じ趣味の知人・会ったことの少ない人 知らない人まで届くことがある 上に加えて、近所の寺社の記録、写真の位置情報、旅行中の日付の並び

自分用のメモは、渡す前に全件を読み返す

メモは自分だけが読む前提で書くものなので、PDF や表を渡す前には全件を読み返します。 1件ずつなら数秒でも、200件あればまとまった時間が要ります。

外したくなるメモには、たとえば次のようなものがあります(いずれも架空の例です)。

  • 体調や通院のこと(「検査の結果を待つ間に伺った」)
  • 願いごとの中身や、家族の事情
  • 仕事や人間関係についての一言
  • 授与所の対応や書き手についての率直な感想

最後のものは特に気をつけてください。自分用の感想のつもりでも、ファイルが回っていけば、いただいた寺社への評価として読まれかねません。

表のファイルなら、表計算ソフトでメモの列を消し、別の名前で保存したものを渡せます。PDF や紙でメモだけを外せない作り方なら、画面で見せるか、メモの列を消した表を渡すほうに切り替えます。

自宅や勤務先は、記録の並びからも推測できる

住所をどこにも書いていなくても、同じ寺社への参拝の回数と、日付や曜日の偏りから、住んでいる地域や通勤の経路の見当がつきます。

たとえば近所の神社への参拝が毎月1日に3年ぶん、36件並んでいれば、その近くに住んでいることはほぼ分かります。平日の日付ばかり同じ駅前の寺院が続けば、通勤の経路が浮かびます。「会社の帰りに」というメモがあれば、なおさらです。

同じように、旅先の参拝が続く日付からはいつ家を空けていたかも読み取れます。家族以外へ回る可能性があるなら、近所の寺社の記録を外す、見せる範囲を旅行の数日間に区切る、といった減らし方をしておきます。

写真に残る撮影地は、写っているものを見ても分からない

スマートフォンで撮った写真には、撮影日時に加えて、設定によっては撮影した場所の位置情報が記録されています。 写っているものを眺めても位置情報は分からないので、写り込みを確かめただけでは外せません。付いているかどうかは、写真アプリで写真の詳しい情報を開くと確かめられます。

見落としやすいのは、御朱印を自宅で撮った写真です。帰宅してから机の上で落ち着いて撮るのは自然な流れですが、その写真に位置情報が付いていれば、指しているのは寺社ではなく自宅です。

写真アプリから写真を送るときは、iOS の共有の設定で、位置情報を含めるかどうかを確かめてください。送る方法によって位置情報が残る場合と残らない場合があるので、どちらか分からないときは送る側で外しておくのが確実です。

御朱印を写真に撮ることや、その写真を SNS に載せてよいかどうかは、寺社によって扱いが違います。撮影と掲載について、どこでも共通して言えることと寺社ごとに違うことは、別の記事で分けて整理しました。この記事では、見せると決めたあとの扱いだけを書いています。

同行者の名前は、その人の情報でもある

一緒に参拝した人の名前は、その人に断らずに第三者へ渡さないようにします。 自分の記録の中にあっても、「いつ・どこに・誰といたか」はその人の行動の記録でもあるからです。

メモの「母と」「〇〇さんと」は、家族の間で見せる分には思い出の一部です。知人へファイルで渡すなら、名前を消すか「友人と」のように言い換えます。写真に同行者の手や姿が写り込んでいる場合も同じです。

渡したファイルは、あとから取り消せない

一度送ったファイルは、相手の端末や相手のバックアップ、さらに転送された先に写しが残り、こちらから消すことはできません。 メッセージの送信を取り消せる仕組みがあっても、相手が先に保存したファイルは残ります。

だから外すのは渡す前です。次の順で確かめると、見落としが減ります。

  1. 見せる範囲を決める。 1冊ぶんか、ある期間か、1件だけか。
  2. 残す必要があるかを考える。 無ければ画面で見せて終わりにする。
  3. メモを読み返す。 体調・家族・仕事・寺社への感想を外す。
  4. 記録の並びを見直す。 近所の寺社が続く記録や、家を空けた日付が分かる並びを外す。
  5. 写真の位置情報を確かめる。 特に自宅で撮った写真。
  6. 同行者の名前と写り込みを外す。

開発しているアプリの場合

記録を見せる・渡す場合、開発しているアプリ「あとから御朱印帳」の PDF と CSV には位置情報の列や欄がありません。一方でメモは載るので、渡す前にメモを読み返してください。

  • PDF は冊ごとに1ファイルです。写真・参拝日・寺社名などと一緒にメモも載り、地図に置いたピンの場所は載りません。書き出すときにメモだけを外す設定はありません。
  • CSV は1行に御朱印1件で、寺社名・参拝日(和暦と西暦)・冊とページ・メモなどが並びます。位置情報の列は無く、写真そのものも入りません。メモを渡したくないときは、表計算ソフトでメモの列を消してから渡せます。
  • 控え(パスフレーズで暗号化した .goshuin のファイル)は、機種変更のときに自分の新しい端末へ記録を移すためのものです。人に渡すものではありません。 パスフレーズと一緒に渡せば、メモも写真も地図のピンも含めて、全記録を渡したのと同じになります。

PDF と CSV に載るものの全体と、控えとの違いは「書き出せる3種類のファイルに、それぞれ何が入るか」で並べて比べました。

このアプリには、記録を公開したり、ほかの人と同じ記録を持ち合ったりする機能はありません。アカウントを作らず、記録を端末の中に保存する作りだからです。見せるときは、画面を見せるか、書き出したファイルを自分で選んで渡す形になります。ただ、アカウントが要らないことと、記録が外へ送られないことは同じではありません。アカウント不要・端末内保存で記録アプリを選ぶときに確かめる4点は、別の記事にまとめました。

PDF と CSV の書き出しは買い切りの「台帳フル」に含まれ、1冊目の記録は購入なしで件数の制限なくつけられます。購入で使えるようになる範囲は料金の節にまとめています。価格は App Store の表示をご確認ください。

よくある質問

見せたい冊だけ、あるいは1件だけを渡すことはできますか?
表計算で作った一覧なら、見せない行を消して別の名前で保存したものを渡せます。1件だけなら、画面で見せるか、その1件だけが写るように撮ったスクリーンショットを送るのが、相手の手元に残るものの少ない方法です。開発しているアプリの場合、PDF は冊ごとに別のファイルになるので見せたい冊のファイルだけを渡せますが、CSV は全件が1つの表に入るため、渡す前に見せない行を消します。
PDF にパスワードをかけてから渡せば安心ですか?
パスワードを別の経路で伝えれば、ファイルが途中で別の人の手に渡ったときの備えにはなります。ただ、開けた相手はその後いつでも読み返せて、中身を別の形で残すこともできるので、見せたくないものを隠す手段にはなりません。開発しているアプリの PDF 書き出しには、パスワードをかける設定もありません。先に中身を減らすほうを考えてください。
メモを、人に見せる用と自分用に分けて書けますか?
表計算で自作するなら、メモの列を「見せてよい一言」と「自分用」の2列に分けておくと、渡すときは自分用の列を消すだけで済みます。開発しているアプリのメモ欄は御朱印1件につき1つで、分ける欄はありません。人に見せたくないことはメモに書かず別の手帳に残す、という分け方もあります。
家族と同じ記録を、それぞれの iPhone で見られるようにできますか?
開発しているアプリでは、同じ記録をそれぞれの iPhone で持ち合い続けることはできません。複数の端末の同期をしないためです。控えのファイルとパスフレーズを渡せば家族の iPhone に取り込めますが、それは取り込んだ時点の写しで、あとから足した記録は届きません。しかもメモも写真も地図のピンも含めた全記録を渡すことになるので、見せる目的には向きません。
家族に御朱印の写真を見せることも、遠慮したほうがよいですか?
手元で家族に見せることと、SNS などで誰でも見られる場所に載せることは、分けて考えられます。載せることについては掲載を控えるよう案内している寺社もあり、扱いは寺社によって違います。写真のファイルごと家族に渡すなら、その先で載せられることもありうるので、載せないでほしいかどうかを一言伝えておくと安心です。