あとから御朱印帳

貼らないままの書き置き御朱印が束になっている人へ

貼り方を決めるのは後回しにして、先に書き置きを一枚ずつ写真に撮り、書かれた寺社名と参拝日を読み取って、参拝日の順に並べてください。参拝日は「奉拝」の近くに和暦で書かれていることが多く、読めないものは後回しにして、読めるものから確定させます。この3つが済んでいれば、貼る・専用のファイルに入れる・そのまま保管する、のどれを選んでも後戻りになりません。日が経つほど特定しにくくなるのは、ページ順という手がかりを持つ貼った御朱印より、順序の情報を持たない束のほうです。

公開: (最終更新: ) 文: 友田 陽大(あとから御朱印帳 開発者)

この記事の要点

  • 貼り方を決めるより先に「どれが・どこの・いつの」を確定させます
  • 字が読めない書き置きは、記憶が薄れるほど特定しにくくなります
  • 一枚ずつ撮る・寺社名と参拝日を読み取る・参拝日順に並べる、の3つで進めます
  • 貼る・ファイルに入れる・そのまま保管、それぞれ向く場合があります
  • 記録の上では、書き置きも直書きも同じ1件として扱います

この記事は、貼らないまま溜まった書き置きの御朱印を、どう同定して並べ直すかだけを扱います。糊やテープの選び方、貼り方の手順は扱いません。

いただいた書き置きが何枚も溜まっていて、どれがどこのものか分かりません

貼り方を決めるのを後回しにして、先に「どれが・どこの・いつの」を確定させてください。 順番を逆にすることが、この状態から抜ける近道です。

多くの人がここで止まるのは、「貼る」という作業に判断が多すぎるからです。どの帳面に貼るか、順番はどうするか、糊は何を使うか、失敗したらどうするか——決めることが多く、しかもやり直しが利きません。その結果、束のまま引き出しに入り、そのまま年を越します。

一方、同定は判断がほとんど要りません。書いてあるものを読み取って記録するだけです。そして同定さえ済んでいれば、そのあとどう保管しても後戻りになりません。

束のまま置いておくと、何が起きる?

字が読めないものから順に、どこの・いつのものかを特定できなくなっていきます。 紙に書かれていない手がかり、つまりその日の記憶は、日が経つほど薄れるからです。

御朱印に寺社名が墨書されていても、達筆で読み取れないことがあります。参拝の記憶が新しいうちなら「あの日に行ったあそこだ」と分かりますが、2年も経つと思い出せないことが増えます。同じ日に複数の寺社を回っていれば、なおさらです。

一つの寺社で複数の御朱印をいただいている場合も、まとめて束になっていると、どれとどれが同じ日のものか分からなくなります。貼ってある御朱印はページ順という手がかりを持っていますが、束になった書き置きは順序という情報を持っていません。

一枚ずつ撮って、参拝日順に並べる

手順は「一枚ずつ撮る」「読み取れるものから確定させる」「参拝日の順に並べる」の3つです。

1. 全部を一枚ずつ撮る。 まとめて並べて1枚に撮らないでください。あとで1枚ずつ扱えなくなります。きれいに撮ろうとして手を止める必要はなく、寺社名と日付が読めれば足ります。写真には撮影日時が記録されるので、少なくとも「いつ手元で確認したか」の順序は残ります。

2. 読み取れるものから確定させる。 御朱印に書かれた寺社名と参拝日を読み取ります。参拝日は「奉拝」(ほうはい。つつしんで参拝しました、という意味の言葉です)の近くに和暦で入っていることが多くあります。読み取れないものは後回しにして、読めるものを先に片づけてください。

3. 参拝日の順に並べる。 ここまでで、束が「参拝した順に並んだ一覧」になります。参拝日が読み取れないものは、参拝した日に撮ったほかの写真や移動の記録から範囲を絞れます。書き置きの参拝日が分からないときにたどる手がかりは、別の記事で順を追って書きました。

束の中には、日付欄が空のままの書き置きが混ざっていることもあります。空欄に自分で書き入れてよいかは寺社によって考え方が違うので、日付欄が空の書き置きを、紙に書くか記録にだけ残すかは別の記事で並べました。紙に書き込まなくても、記録の側に参拝日を残しておけば、並べ替えには困りません。

この3つが済んでいれば、そのあと貼っても貼らなくても、記録としては完成しています。

貼る・ファイルに入れる・そのまま保管、どれを選ぶ?

同定が済んだあとの保管方法は、帳面で見返したいか、枚数が多くて並べ替えたいか、判断を保留したいかで選びます。

方法 向いている場合 気をつけること
御朱印帳に貼る 帳面を1冊にまとめて見返したい やり直しが利かない。紙の厚みで帳面が膨らむ
専用のファイル・ホルダー 枚数が多い。あとで並べ替えたい 帳面とは別に保管場所が要る
そのまま保管する 判断を保留したい どこに何があるか分からなくなりやすい

どれかが正しいということはありません。 貼らなければならないという決まりは全国共通では存在せず、専用のファイルで保管している方も多くいます。判断に迷う場合は、いただいた寺社の案内に従ってください。

ただし、「そのまま保管する」を選ぶなら、同定だけは済ませておいてください。それをしないままだと、いま抱えている状態が続くだけです。

ファイルに入れる場合もそのまま保管する場合も、どの書き置きをどこにしまったかを書き添えた一覧を紙に刷って手元に置くと、紙から現物にたどり着けます。記録を紙に刷るときに載せる項目と、外しておくものは別の記事で整理しました。

書き置きと直書きは、記録の上では区別しない

書き置きは寺社の判断で用意されるいただき方の一つで、記録の上では直書きと同じ1件として扱います。

書き置きは、あらかじめ紙に書かれた御朱印をいただく形です。直書きは、その場で御朱印帳に書いていただく形を指します。参拝者が多い時期、書き手の人数、感染症への配慮など、寺社側のさまざまな判断で書き置きのみとしているところがあり、近年は珍しくありません。

2つのいただき方をどう受け止めるかは、寺社によっても人によっても違い、この記事で決めることではありません。ただ、「本当は直書きが良かった」という前提で整理を語らない——これは記録の話をするときに守っておきたい線だと考えています。

紙の原本は原本として残す

写真に撮って記録しても、紙の書き置きそのものを処分する必要はありません。

記録は原本の索引であって、置き換えではありません。写真は「どこに何があるか」を探すための手がかりで、いただいた紙そのものが持つ意味を代わりに引き受けるものではないからです。

整理全体の流れは「スマホに溜まった御朱印の写真を、あとから整理して記録する手順」に、帳面が増えてきたときの持ち方は「御朱印帳が何冊目か分からなくなる前に、冊ごとに記録を残す」にまとめました。

開発しているアプリの場合

開発しているアプリ「あとから御朱印帳」では、一枚ずつ撮った書き置きの写真を写真ライブラリからまとめて選ぶと、取り込んだ写真の一覧に並びます。 溜まった写真をまとめて取り込み、参拝日を直して冊に入れるまでの流れは、別の記事にまとめています。参拝日の初期値は写真の撮影日なので、束を同じ日に撮ると、すべてがその日になります。御朱印に書かれた参拝日を見て写真ごとに直し(和暦で入力できます)、それから冊に入れます。参拝日さえ直してあれば、記録は取り込んだ順ではなく参拝した日の順に並べて見返せます。

帳面に貼っていない書き置きは、どの冊にも入れないまま残すこともでき、購入は要りません。まとめて取り込んだ写真はいったん冊に入れてから、記録を開いて、どの冊にも入れない状態に戻せます。保管しているファイルの名前をメモに書いておけば検索で引け、帳面に貼ったら、そのときに冊へ入れ直します。

冊に入れずにおく代わりに、御朱印帳とは別の1冊として記録すると、紙の保管場所と記録の区切りを揃えられる一方で、冊が1つ増えます。1冊目は購入なしで件数の制限なく記録でき、取り込んだ写真を1枚ずつ冊に入れるのも購入なしです。2冊目以降の冊と、取り込んだ写真を2枚以上まとめて冊に入れる操作は、買い切りの「台帳フル」です。購入で使えるようになる範囲は料金の案内にまとめています。価格は App Store の表示をご確認ください。

よくある質問

寺社名が達筆で読めない書き置きは、どうやって特定しますか?
読める字だけを拾い、残りは空けたまま手がかりを集めます。地名や寺社名の一部が読めれば、同じ日に撮った境内や駅の写真、その日の移動の記録と突き合わせて候補を絞れます。それでも決めきれないものは寺社名を推測で埋めず、読めた字と未確定であることをメモに残しておくと、あとで分かったときに直せます。
貼らずに保管しておくのは失礼にあたりますか?
失礼かどうかを一律に決める全国共通の基準はなく、扱いの考え方は寺社によって違います。気になる場合は、次にその寺社を参拝したときに社務所(納経所)でたずねるのが確実です。整理のうえでは、貼るかどうかより、どこの・いつのものかが分かる状態にしておくことが先です。
同じ日に同じ寺社で何枚かいただいた書き置きは、1件にまとめて記録しますか?
1枚ごとに1件として記録し、参拝日にはどれも同じ日付を入れます。1件にまとめると、あとで特定の1枚を探すときに引けなくなります。見分けがつくよう、紙に書かれたお堂や社の名前など、違いが分かる言葉をメモに添えてください。
あとで御朱印帳に貼ると決めたら、参拝日の順に貼る必要はありますか?
記録のうえでは、その必要はありません。記録の側に参拝日が残っていれば、紙の上の順番が前後していても参拝日の順にたどれます。空いているページに貼るなら、貼った帳面と何ページ目かを記録に書き足しておくと、紙から記録へも、記録から紙へもたどれます。
何年も前の書き置きでも、いまから整理する意味はありますか?
あります。紙に書かれていない手がかり、つまりその日の記憶は、来年にはさらに減ります。全部を一度に片づけようとせず、10枚ほどずつ区切って、終わった分を束から分けておくと、途中で止まっても続きから再開できます。